明治、一目惚れの軍人に溺愛されて
「今から……激しく抱いてくれたら、許します。」

私の言葉に、志郎さんの瞳が燃えるように光った。

「……わかった。」

彼は私の手を取り、再び茶屋へと足を向ける。

「まあ、お戻りで?」

女将さんが目を丸くしたが、志郎さんは何も言わず、私をそのまま二階へと導いた。

部屋に入るや否や、彼の手が私の着物をするりと解く。

「雪乃……君は、俺をどんなに狂わせたら気がすむんだ。」

押し寄せる熱に、思わず声が漏れる。

「……ああ……志郎さん……!」

息もできないほどに激しい抱擁。

そのたびに彼の想いが伝わり、胸の奥まで焼き付けられていく。

「雪乃……君を、いっそ縛り付けたいくらいだ。」

切なげな声が耳元を震わせ、私はただ彼の腕にしがみついた。

どれほど時間が経ったのだろう。

志郎さんは求めては私の中で果て、果ててはまた求め――。

飽きることのない情熱の中で、私たちはお互いを確かめ合い続けた。
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