明治、一目惚れの軍人に溺愛されて
声にならない声を繰り返しながら、私は必死に応えた。

「そうだ。雪乃は俺のものだ。」

彼の囁きは呪文のように甘く、胸の奥に深く刻まれていった。

「見合いなんて……!」

志郎さんの声は激情に震えていた。

強く抱きしめられ、熱をぶつけられるたびに、私の心は揺さぶられる。

「断れ!」

鋭い言葉が耳元に落ちる。

「志郎さんっ……!」

思わず彼にしがみつき、全身でその想いを受け止めた。

放れたくない。放したくない。

――できることなら、このままずっと、彼の腕に抱かれて生きていきたい。

息もできないほどの熱の中で、私は確かにそう願っていた。

やがて志郎さんは大きく息を吐き、私を抱き寄せたまま額を合わせる。

「……いいね、雪乃。」

汗に濡れた額から滴る雫が、私の頬に触れた。
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