この恋を運命にするために
「信士さん、そういえば彼女とはどうなったんですか?」
「さあ? もう三ヶ月連絡取ってないな」
彼女ができてもまあ続かない。
高校の頃から数えて四人と付き合ったが、最長二ヶ月程度。
恋愛に向いてないとしか言いようがない。
根本的に他人のことが信用できないから、告白されて付き合ってみても結局心の底から彼女を好きになれずそんな本心を見抜かれてフラれる。
刑事になってからは仕事を優先してしまい、デートをすっぽかすなど日常茶飯事。
それが重なって次第に連絡を取らなくなり、自然消滅したのが三ヶ月前まで付き合っていた彼女だ。
「お前は同業者じゃないと難しいんじゃないのか」
喫煙室で一緒になった先輩刑事の漆原さんにそう言われた。
「同業者って女性警察官ですか?」
図々しく彼女のことを聞いてきたのは後輩の栗田だ。
「ああ、同じ警察官なら理解があるだろ」
「なるほど、確かにそうですね。交通課にかわいい子いるらしいから合コンしません?」
「しない。当分彼女はいらない」
「ええ〜〜」
自分が合コンしたかっただけの栗田はあからさまに不服そうな顔をする。
「でもお前、見合いするんじゃないのか?」
「は? 何のことですか」
「部長がそんなような話してたの聞いたぞ。局長がお前に見合いさせたがってるって」