この恋を運命にするために


 そういって信士くんにも怒られたんだった……。
 私って考えなさすぎ?


「今日会った時に相談してみる」
「それがいいよ。紅真くんもだけど、花のこと以外は二人とも大雑把すぎるよね」
「えぇ〜、兄さんよりはマシだと思ってたのに」


 血は争えないということなのかな。悔しいけれど。


「それにしても、全然連絡取り合わないの?」
「うん、いつも忙しそうだから」
「五分おきに彼氏にメールしてた蘭ちゃんが!?」
「黒歴史やめて!」


 鬼のようにメールしまくり、一週間でフラれた苦い過去がある。
 捨て去りたい思い出だ。


「流石にもう大人だし、そういうのはやめたの! ……嫌われたくないし」
「蘭ちゃん……かわいい」


 うるうるしながら私を見つめる菜花ちゃんの視線がちょっと恥ずかしい。


「蘭ちゃんは自分の魅力をわかってなさすぎだと思う」
「え……? そうかな?」
「とにかく、気をつけて。信士さんにもきちんと相談するんだよ」
「わかったってば〜」


 菜花ちゃんに帰る直前にも念押しされた。
 兄さんとの待ち合わせを遅らせてもいいから信士くんと会う時間まで一緒にいようか、とも言ってくれた。

 流石にそこまでは申し訳ないし、兄さんに恨み言を言われるのも面倒なのでなるべく一人にならないようにする、と約束して帰ってもらった。


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