皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
支度を終えて、私はゆっくりと部屋の扉を開いた。

緊張で胸が高鳴り、手のひらは汗ばんでいる。

扉の外で待っていたセドが振り返った。

その瞳が私をとらえた瞬間――彼は言葉を失い、深く息を呑んだ。

「……エリナ。」

低い声が震える。

ただ名前を呼ばれただけなのに、胸が熱くなる。

「まるで……別人みたいだ。」

そう呟くセドの瞳は驚きと、抑えきれない愛しさに揺れていた。

私は恥ずかしさに頬を赤らめ、視線を落とす。

「変じゃ、ありませんか。」

セドは一歩近づき、私の手を取った。

「変なわけがない。」

唇に熱を帯びた微笑を浮かべ、囁く。

「世界で一番、美しい。」

その言葉に心が震え、私は彼の瞳を見返した。

――どんな視線を浴びても、この人がいてくれるなら、きっと大丈夫。

セドは私の手を握ったまま、優しく導くように歩き出した。

「行こう、エリナ。俺の誇りを、みんなに見せる時だ。」
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