皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました

第10章 永遠の誓い

玉座に座る国王の瞳が鋭く光った。

「……ならば見せてみろ。おまえの覚悟を。」

広間に緊張が走り、重苦しい空気が支配する。

「覚悟……」

私は自分の胸に手を当て、小さく息を整えた。

「皇太子妃となる者は、美しいだけでは務まらぬ。」

国王の声は冷厳に響く。

「礼儀作法、政務の理解、外交の場での冷静な判断――そのすべてが必要だ。エリナ、おまえにそれができるのか?」

その問いは広間にいる者全員の心にも重くのしかかった。

私は震える足を必死に押さえ、顔を上げる。

「はい。容易ではないことは承知しております。ですが……それでも私は、セドリック殿下のお傍に立つために、公爵家の娘として教育を受けて参りました。」

「ほう。」

国王の口元にかすかな笑みが浮かぶ。
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