皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
不意にセドの手が伸び、私の腕をぐいと引き寄せた。気づけば、柔らかな寝具の中へと抱き込まれていた。

「セドっ!」

驚きに声を上げると、彼は真剣な瞳で私を見つめる。

「俺はもう子供じゃない。」

その言葉と同時に、唇が重なった。熱く、強引で、それでいて切実さを孕んだ口づけ。

「ん……んん……」

甘い衝撃が体の奥まで走り抜け、頭が真っ白になる。

「どうして……」

震える声で問うと、セドは低く笑った。

「好きな女が同じベッドにいて……欲情しない男がいるか?」

次の瞬間、彼の指が私の衣服にかかり、ためらいながらも布をそっとはぎ取った。

月明かりの下にさらされた白い肌。

セドの瞳がそれをとらえ、息を呑む気配が伝わる。

「いや……恥ずかしい……」

両手で胸元を隠そうとするが、彼の視線から逃げられない。

「綺麗だよ、エリナ。」

低く囁かれ、頬が熱に燃える。

羞恥と甘美な幸福が入り混じり、胸が高鳴って止まらなかった。
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