皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
荒い吐息が次第に静まり、寝室を包むのは夜の静けさと、二人の鼓動だけだった。

汗に濡れた額を寄せ合いながら、セドは深く息を吐き、私を優しく抱き締める。

「エリナ……」

耳元に落とされた声は、先ほどの激しさとは違い、切なく、どこまでも温かかった。

「もう……俺は、おまえを放さない。」

囁きは低く、けれど揺るぎない誓いそのものだった。

「永遠にだ。エリナは俺のモノだ。」

その言葉に、胸の奥が熱くなり、涙が零れ落ちた。

ただの侍女である私に、こんなにも真っ直ぐな想いを注いでくれるなんて――。

「殿下……」

掠れた声でそう呼ぶと、セドは微笑み、私の髪に唇を落とした。

「約束する。何があっても、俺はおまえを守り抜く。」

その言葉に包まれて、私は彼の胸に顔を埋めた。

愛される安心感に、心も体も溶けていく。

――永遠に放さない。

その誓いを信じて、私は静かに瞳を閉じた。
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