皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
アルキメデスが去った扉を見つめたまま、私は胸を押さえていた。
(私のせいで……アルキメデスが……)
重苦しい思いが心を締めつけ、目に熱いものが滲む。
そんな私の肩を、後ろから大きな手が抱き寄せた。
「気にするな。」
低い声が耳元に落ちる。
「殿下……でも、私は……」
「俺がおまえを守る。」
短く、それでいて揺るぎのない言葉。熱い体温ごと包み込まれるようで、抵抗する力が抜けていく。
「アルキメデスの気持ちも、周りの声も……すべて俺が引き受ける。だからエリナは俺のことだけを見ていればいい。」
その瞳は真っ直ぐで、少しも迷いがなかった。
「殿下……」
涙が零れ落ちた瞬間、彼はそれさえも唇で拭うように優しく口づけてきた。
――私はこの人に守られたい。
たとえ世界を敵に回しても、きっと彼は私を放さない。
そう信じられるほどに、セドの抱擁は強く、温かかった。
(私のせいで……アルキメデスが……)
重苦しい思いが心を締めつけ、目に熱いものが滲む。
そんな私の肩を、後ろから大きな手が抱き寄せた。
「気にするな。」
低い声が耳元に落ちる。
「殿下……でも、私は……」
「俺がおまえを守る。」
短く、それでいて揺るぎのない言葉。熱い体温ごと包み込まれるようで、抵抗する力が抜けていく。
「アルキメデスの気持ちも、周りの声も……すべて俺が引き受ける。だからエリナは俺のことだけを見ていればいい。」
その瞳は真っ直ぐで、少しも迷いがなかった。
「殿下……」
涙が零れ落ちた瞬間、彼はそれさえも唇で拭うように優しく口づけてきた。
――私はこの人に守られたい。
たとえ世界を敵に回しても、きっと彼は私を放さない。
そう信じられるほどに、セドの抱擁は強く、温かかった。