皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
「君もまた……殿下を想っているのか。」

真正面から問われ、胸の奥に隠していた想いが震え出す。

否定もできず、ただ唇を噛みしめることしかできなかった。

「はい。殿下は私の……初恋の人なんです。」

口にした瞬間、胸の奥に秘めていた熱が解き放たれるようで、頬が熱くなる。

公爵閣下は黙って私を見つめていた。

その眼差しには叱責も嘲りもなく、ただ深い思慮があった。

「……いや、殿下がエリナに溺れていると聞いてな。私は一方的な想いをぶつけられて、君が苦しんでいるのではないかと心配していた。」

低く響く声に、胸がきゅっと締めつけられる。

こんなにも私を気遣ってくださっていたのだ。

「そうではないのか。」

「はい。」私は強く頷いた。

初めて、誰かにこの想いを認めてもらいたいと思った。

閣下には、どうしても知っていてほしかった。

「そうか……」

公爵閣下は深く息をつき、表情を和らげる。
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