「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
 



 今日は遅くなったから、電話で済ますべきか。

 でも、珠子の顔が見たいな、と迷いながら、晃太郎は珠子の古書店に向かっていた。

 ガス灯の下、歩いてくる小太郎と目が合う。

「あ、こんばんはー」

「やあ、こんばんは」

「あ、そうだ。
 今日、昼間、珠子さんとこ、お友だちが来てて。

 なんか……魔術とかやってましたよ。

 大丈夫ですか?」


 

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