「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「そうだ、晃太郎様。
私、思いつきましたの」
と珠子が手を打つと、晃太郎は笑顔で訊いてくる。
「どうした?
何処か途中で寄りたいところでもあるのか?」
「いえ。
夜行列車で行くのですよね?」
「そうだな。
十月からは寝台車もあるようなんだが。
まだ今はないから、ちょっと大変かと思うんだが……」
「あの、夜行列車で行って、博覧会を見て、すぐに夜行列車で帰ってくれば、向こうで泊まらなくてすむのではないですか?」
それなら、誰にも文句つけられません、と珠子は言ったが、
「……なんだ、その弾丸旅行は」
と言われてしまう。
「夕方に新橋を出て、神戸に着くのは昼だからな。
それでまた夕方、すぐに夜行列車に乗るのなら、イルミネーションも見られないぞ」
「あ、そうですね」
今回の博覧会は夜も開いていて、電気で会場が飾りつけてあり、とても美しいそうなのだ。
珠子もそれを楽しみにしていた。
私、思いつきましたの」
と珠子が手を打つと、晃太郎は笑顔で訊いてくる。
「どうした?
何処か途中で寄りたいところでもあるのか?」
「いえ。
夜行列車で行くのですよね?」
「そうだな。
十月からは寝台車もあるようなんだが。
まだ今はないから、ちょっと大変かと思うんだが……」
「あの、夜行列車で行って、博覧会を見て、すぐに夜行列車で帰ってくれば、向こうで泊まらなくてすむのではないですか?」
それなら、誰にも文句つけられません、と珠子は言ったが、
「……なんだ、その弾丸旅行は」
と言われてしまう。
「夕方に新橋を出て、神戸に着くのは昼だからな。
それでまた夕方、すぐに夜行列車に乗るのなら、イルミネーションも見られないぞ」
「あ、そうですね」
今回の博覧会は夜も開いていて、電気で会場が飾りつけてあり、とても美しいそうなのだ。
珠子もそれを楽しみにしていた。