「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「その献立書、記念に持って帰っていいんだよ」
と次郎が言う。

「そうなのですか」

 晃太郎様にもお見せしよう、と思い、珠子は、ふふふ、と笑った。

「あ、ところで、門司までに一泊しないといけませんよね。
 今から、三等の切符、買えるでしょうか?」

「なんで?
 大丈夫だよ。

 さっきの部屋は珠子さんの部屋だよ」

「えっ?」

「二段ベッドだったでしょ。
 珠子さんも同じ部屋でいいじゃない。

 上がいい? 下がいい?」

「あの、でも――」

「まあ、俺がいるのが嫌なら、別の部屋に行くから。
 仕事で乗ってるんだし、何処か融通してもらえるでしょ」

 そんなことを次郎は言う。
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