「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
おまけ
……増えたっ!
「結婚おめでとう、珠子」
「……お兄様、入り口から入ってきてください」
「結婚おめでとう、珠子さん」
「……次郎さん、入り口から入ってきてください」
「いや、強引に君を連れ去った俺には、ここから入る資格なんてないから」
と次郎は謙虚なことを言う。
「珠子さん、どうしたの?」
とそこに小太郎が通りかかった。
「なんでみんな珠子さんちの前に立たされてんの?」
と言って笑う。
「……いやなんか、この家の敷居が跨げないって人が増えちゃって」
なんか楽しそうだから、と小太郎も入り口に立ち、三人はそこで話し始めてしまった。
どデカい男性たちが入口を塞いでる……。
営業妨害だ、と彼らに遮られ、日も入らなくなった店内で珠子は苦笑いする。