「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「ほらーっ。
 近寄りすぎて、服濡らさない~っ」

 大噴水に興味津々の子どもたちに善子が叫んでいる。

「行こう」
 急ごう、とあの頃と変わらぬ強さで手を握ってくる晃太郎の手を珠子は強く握り返した――。



                              完




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