「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
氷コーヒーと冷やしコーヒー
「さっき、氷コーヒーの話が出ましたけど」
「さっき?」
と晃太郎が眉をひそめる。
「明治に氷コーヒーとして登場したアイスコーヒーは、大正時代には、喫茶店のメニューとして定着し、冷やしコーヒーと呼ばれるようになったんです。
これ、別の話でも書いてますけどね」
「別の話?」
「冷やしコーヒーは瓶に詰めたコーヒーを、井戸水や氷で冷やしたものだそうです。
大正時代になったので、やってみましょうか。
まず、瓶にコーヒーを詰めて」
「……お前がきゅうり瓶を持つと、殴りかかってきそうな気がするんだが」
「瓶では殴りません。
ピストルがありますから」
「まだ持ってたのか……」