「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「晃太郎っ、おい、晃太郎ーっ」
と高平は自ら追いやった晃太郎を呼び戻す。

「俺よりこいつらが敷居を跨がない方がいいのではっ?」
と言う高平により、何故か全員が外に出た。

「……いや、これはこれで、なんか変じゃないですか?」

 玄関の敷居を挟んで、珠子と男たちが対峙していた。

「珠子、とりあえず、お茶を」
と高平が言ったとき、

「珠子さん、本届きました?」
と藤崎教授がやってきて、ひょいと敷居を跨ぐ。

 あーっ! と全員が叫び、えっ? と教授が振り向いた。






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