「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「獅子でも見にいくか?
 怖いか?」

 ライオンはまだ去年来たばかりで、ライオンの檻の前は長蛇の列だった。

「大丈夫です。
 あ、そうだ。

 ダチョウも見てみたいです。
 走るの速いんですよね?」

「まあ、この中では走らないと思うが……」
と晃太郎が言いかけたとき、

「珠子様っ」
と声がした。

「あら」
と珠子はその子連れの夫婦を見る。

 まだ若く可愛らしい、着物姿の母親が走ってきた。
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