「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「珠子様、素敵な方と――。
 みんな心配しておりましたの」

 涼子は少し話したあと、
「珠子様をよろしくお願いいたします」
と深々と頭を下げて、家族のもとに帰っていった。

 おとなしそうな父親に連れられ、羊を見ていた子どもたちがこちらを振り向いたので、手を振ると振り返してくれた。

 涼子のご主人と頭を下げ合い、挨拶を交わす。

「……涼子さん、お幸せそうでよかった」

 その言葉を聞いて、晃太郎が複雑そうな顔をする。


 

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