「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
やはり、いい家の娘だったのか、珠子。
まあ、下町で育ったとかいう感じじゃないよな、と晃太郎は思っていた。
結婚して幸せそうな涼子と、池田の囲われ者で、何故か今自分に貸し出されている珠子。
「……涼子さん、お幸せそうでよかった」
と言う珠子の言葉を聞いて、
お前は今、幸せじゃないよな?
と晃太郎は思う。
「なにか食べるか?」
「えっ?
まだなにも見てませんよ」
「疲れたろう、少し休むか」
いや、突然、異様にやさしくなって、どうしたんですか……という顔を珠子はしていた。