「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「女性も今こそ世界に向けて飛び出すときですわ」

 ……唐突すぎますわ。

「珠子様ももう日本に思い残すことなどないでしょう」

 いっぱいありますよ。

 とりあえず、晃太郎様とまた出かける約束をしてしまいましたね。

「私、豪華客船に乗って、長旅をしてみたいんですのっ」
「それはわかりますっ」

 そこだけは意見が一致し、二人で手を取り合って語り合う。

 外で待っていたらしい山内が、

 ……なんの話をしてるんですか、お嬢様。
 そろそろ帰りましょうよ、
という顔で中を覗いていた。

 


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