「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「確かもともは公家だよな。
 分家だが」
と言いかけ、そうそう、と池田は笑う。

「思い出した。
 それで、じいが、普通の方と同じ給金では駄目でしょうと言ったんだった」

 高平は胸元から札入れを出した。

 その中に大事に折りたたまれて入っていた古い紙にには、筆で、八、と書いてある。

「……もうこの番号はつながらないものと」

 そう呟いたあとで、高平はいきなり、胸ぐらをつかんでくる。

「岩崎ーっ。
 お前が好き勝手やってるのは、俺の妹かっ」

「えっ? 妹っ?」
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