「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「晃太郎だ」

「えっ? 晃太郎様っ?」

 どうして、この番号をっ?

「今、自働電話(こうしゅうでんわ)からかけている」
と晃太郎が言う側から、

「池田です」
と違う声が半笑いで割り込んできた。

「ああ、池田様……」

 それで番号がわかったんですね。

 待てよ。
 お二人が会って話してるのは、もしや、私を返品する話っ?
と珠子が怯えたとき、また別の人間が、彼らの後ろで叫びはじめた。

「珠子~っ!
 珠子、可哀想にっ」

 いや、誰なんですか……。

 そして、何故、いきなり私は可哀想がられているのですか。

 今こそ、おいおい、と言いたい気持ちだった――。
 


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