「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「今の母が書いてくれたんだ。
 なにかあったら、ここに電話しなさい。

 あなたのほんとうの家族につながりますよって。

 父には止められていたと思うのに――」

「実の親が書いたんじゃなかったのか」
と言う晃太郎に、高平は実の母を評して、

「そんな感じの人じゃない」
と言い、珠子も、

「……そんな感じの人じゃないですね」
と苦笑いした。

「高平の家に引き取られて、お前の将来もようやく安泰になったのにメソメソするなっと張り飛ばしてきそうな人だから」

「まあ、それも愛ですよね」
と珠子は笑った。

「あのお母様がいるから、お父様があのくらいの転落具合で収まってると思うんで……」
< 85 / 256 >

この作品をシェア

pagetop