望みゼロな憧れ騎士団長様に「今夜は帰りたくない」と、良くわからない流れで言ってしまった口下手令嬢に溺愛ブーストがかかってから
 ハビエル様が安全を確保して私へと振り向くと、彼の元へと駆け寄った。

「あのっ……こうして戦う姿を初めて拝見しましたけど、本当に格好良くて……素敵でした。ハビエル様」

 その時に、ハビエル様は穏やかに微笑んだだけだけれども、私本人が彼の前でちゃんと話すことが出来たと気が付いた。

 あ。こうして興奮して話すと、余計なことを考えないかもしれない……けど、常時興奮するなんて無理だし。

 口を片手で押さえていると、ハビエル様は私の頭を撫でた。

「ほら。シャーロット。落ち込まないで。少しずつ俺とも話せるようになっているよ。別に焦ることはない。時間はいくらでもあるのだし」

「……はい」

 私の顔を覗き込んで安心させるように背中を叩いたハビエル様のお顔は、本当に凜々しくて格好良い。

 だから、どうしても取られたくないし、彼にはっきり気持ちを確かめられなかったマチルダ様の気持ちも……私も今では、理解が出来たりするのだった。


◇◆◇


 私を襲ったくせ者たちはマチルダ様ではない、ハビエル様の他の信奉者が放ったようだった。

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