望みゼロな憧れ騎士団長様に「今夜は帰りたくない」と、良くわからない流れで言ってしまった口下手令嬢に溺愛ブーストがかかってから
 すぐに捕らえられて自白していたけれど、そういえば……マチルダ様が徹底的に囲っていたのなら、その鉄壁の囲いから出てしまえば、私のライバルはうようよ湧いて出るのかもしれない……。

 けれど、私は命を狙われてでもハビエル様と結婚したいと思ったので、ドレスのスカートに忍ばせられる剣を購入しようと思っただけだった。

 この短期間に、私も強くなったのかもしれない。襲われたら、蹴散らせば良いのだわ。

 私はハビエル様がまだ仕事から帰宅しないその夜に、彼の邸にある広い庭園で、大きな敷物を敷いて柔らかなクッションを置くと、何個か蝋燭を立てた。

 見上げると満天の星に、丸い月が綺麗。

 私はごろんと寝転んで、空を見上げていた……あの時から、短期間しか経っていないのに、色々なことがあったなと、しみじみと思い返していた。

「……シャーロット。どうしたんだ」

 ハビエル様は上着だけを脱いだ白シャツ姿で、私が色々と庭園に用意した場所までやって来た。

『ここでデートしましょう。ハビエル様』

 寝転んだままの私が石板を見せると、彼は微笑んで隣に座った。

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