ずっと隣にいてくれませんか。

声、届いたよ

「は~、体育祭おわっちゃったね」

「うん、終わったね」


体育祭の終わり。それはもう村上先輩と会える機会がめっきり減ってしまうということだ。

学年が違うので普段の学校生活で会うことはほぼなくなってしまう。

一言くらい話してみたかったな。

「んもー、何辛気臭い顔してんの。よし、今日はパーっとスイーツでも食べに行こっ!」

「智花、今日彼氏とデートだって言ってなかったっけ?」

途端にはっとした表情に変わる智花。

「やっばい、忘れてた!ごめん!スイーツはまた今度ね~!」

走りながら手を振る智花に私も手を振り返す。


智花の姿が完全に見えなくなったところで私は大きなため息を吐いた。

「楽しかったなあ、体育祭。もう先輩に会えなくなるのは悲しいけど。」

とぼとぼ歩きながら下駄箱に向かっていると足に何かが当たる。

ふと下を見ると___


「家の、鍵?」


猫のチャームがついた鍵が床に転がっていた。


家の鍵ならなくした人は相当困るだろう。近くに探している人がいないかとあたりを見渡す。

すると、少し離れた先に床を這いつくばっている人がいた。

顔は良く見えないので誰かわからないが、落とした人はあの人で間違いないだろう。

鍵を渡すべくその人影に近づいく途中、鍵の落とし主の顔が鮮明になっていき思わず私は立ち止まってしまう。


「…あれ、先輩だ」
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