忌み子の私に白馬の王子様は現れませんでしたが、代わりに無法者は攫いにきました。
「それと鉱山労働に従事する亜人は許可なく鉱山から出ることを禁じる。人間のお前も一応は出る時は声をかけろ。説明は以上だ。ささと働きに行くがいい」
 それだけ言うと騎士は来た道を戻っていった。
 私達は無言でその背中を見送る。
 「酷ぇ場所だし、酷ぇ連中だ。これがブグラーのやり方かよ」
 ヴィシャスが言葉を吐き捨てる。
「…………うん」
 私は頷く。魔鉱石は国にとって強力なエネルギー源だが、それを掘るためにこれほどの人に犠牲を強いるなんて。
 許せない。
 この鉱山は、闇の象徴だ。魔鉱石の輝きの下に、どれだけの血と汗が染み込んでいることか。連絡員を助け出すだけでなくブグラーも打倒してここの人達を助けたいという想いが強くなる。
 そのためにもまずは情報を集めなくては。
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