制服世代
悩みなきローティーン
女の子は見た目が命。

それに加えてノリもよければ、もう最高!言うことなし!

⋯⋯と、兄ちゃんの悪友たちが言っていた。

つまり、ノリのいい父ちゃんと、美人の母ちゃんをもつ私は、最強ということなのだろう。

ワタクシ、奥居英玲奈は、昔から成績は悪いが、特に気にしていない。

いくら頭が悪くても、虫歯一本すらない健康体だし、スポーツが苦手でも、50メートル走が6秒台と、逃げ足だけは速いから、生きていくのには困らない⋯⋯はず。

「知性がなければ⋯⋯とか、ルッキズム云々ってのは、顔に恵まれなかった奴らの言うことだから、オマエは気にするな。あはは!」

父ちゃんもそう言ってくれている。

「でも、ちょっとは勉強しなさいよ。お行儀も悪いんだから」

母ちゃんは、小言こそ言うけれど、なんやかんやで、若い頃の自分と同じ顔をしている私には甘い。

友達も多く、家族仲はよく、これと言って挫折を経験したこともなく、毎日が平和で楽しい。
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