制服世代
そんな私も、中学2年生。

ティーンに突入して、初めて、気になる男の子もできた。



しかし、私ってポンコツだ⋯⋯。

何とも思っていない男子とは下ネタも平気で話すくせに、気になる相手とはまともに話せたことがない。

気になるお相手というのは、同じクラスの高峰。

他の男子は、ガサツかオタクのどちらかという感じなのに、高峰は文武両道なだけでなく、クールで大人びた雰囲気の美少年。

完璧!まさに王子!

2年生になって初めての席替えで、ラッキーなことに高峰と隣になったのだ。



「英玲奈!いつまで髪の毛弄ってるの?遅刻するわよ!」

「はいはい⋯⋯」

毎朝、母ちゃんに叱られながらも、ご自慢の艶髪をアレンジすることに余念がない。

ルックスにだけは自信があるはずなのに、教室の自分の席についても、高峰には「おはよう」の一言すらかけられずにいる。
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