制服世代
いつもと変わらず、みんなでバカ笑いしているけれど、この胸は人知れずソワソワしている。


高峰⋯⋯。

本ばっかり読んでないで、少しはこっちを見てよ。

私、ただ可愛いだけじゃなくて、女子ウケもいいでしょ?

女子ウケがよくてノリもいい美少女なんて、最高じゃない?

男子ウケもいいけど、私は、高峰じゃないと⋯⋯。

「⋯⋯バカ丸出し。辟易する」


はい⋯⋯?

教科書を読んでいるときとは全く違う、氷柱のような冷たい声で私の胸を突き刺した高峰は、文庫本片手に席を離れた。

私は、思考停止状態になり、手も止まった。


「英玲奈ぁ。どうしたの?続けてよ」

麻美の声で我に返る。

「なんか今、高峰がうちらのこと文句言ってたね」

「高峰って、あんまり友達いないみたいよ」

「自分は特別って思ってるんじゃない?」

友達はみんな、高峰に対してブーイングの嵐。
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