クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
「在庫、どうするつもりだ?」
「他店から在庫をかき集めても、予定していた店頭と同じものを作るのは無理だと分かっています。なので、売場のひな壇の数を減らして見栄えだけでも良くなるようにと考えています」
「それが、不動店長の最善か?」
「はい」
彼女の意思のある言葉。最善を考え、実行しようとした彼女は本当に頼もしい。だが智田は、彼女の横で握りしめた拳が震えているのに気がついた。
きっと悔しいのだろう。普段の店長業務に加え、あれだけ準備してきたのだ。
彼女に諦めて欲しくない。そんな思いを乗せて、智田は彼女に言う。
「明日の広告に、大々的にこの店舗が生まれ変わったと載る。顧客も、いつにもまして期待を持ってやってくると思う」
まだ道はあるだろうと伝えたかったのだが、逆に不動を責めているようになってしまった。彼女は唇をわずかに歪ませ、俯いてしまう。
不動は「どうしたらいいですか?」と聞いてくる性分ではない。自分にできることを考え抜き、答えを出してくる。彼女の頭の中に、智田が動くという選択肢はまだないのだろう。
だったら、自分が導くまでだ。
(こういう時こそ頼ってほしい。臨機応変に対応できる人間として、上司がいるんだから)
「他店から在庫をかき集めても、予定していた店頭と同じものを作るのは無理だと分かっています。なので、売場のひな壇の数を減らして見栄えだけでも良くなるようにと考えています」
「それが、不動店長の最善か?」
「はい」
彼女の意思のある言葉。最善を考え、実行しようとした彼女は本当に頼もしい。だが智田は、彼女の横で握りしめた拳が震えているのに気がついた。
きっと悔しいのだろう。普段の店長業務に加え、あれだけ準備してきたのだ。
彼女に諦めて欲しくない。そんな思いを乗せて、智田は彼女に言う。
「明日の広告に、大々的にこの店舗が生まれ変わったと載る。顧客も、いつにもまして期待を持ってやってくると思う」
まだ道はあるだろうと伝えたかったのだが、逆に不動を責めているようになってしまった。彼女は唇をわずかに歪ませ、俯いてしまう。
不動は「どうしたらいいですか?」と聞いてくる性分ではない。自分にできることを考え抜き、答えを出してくる。彼女の頭の中に、智田が動くという選択肢はまだないのだろう。
だったら、自分が導くまでだ。
(こういう時こそ頼ってほしい。臨機応変に対応できる人間として、上司がいるんだから)