クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
 電話を切り、不動に不足分をリストアップして倉庫にメールするように指示を出す。
 すると彼女は驚いたような、それでいて嬉しそうな顔を智田に向けた。

(絶対に、持ってくるからな。それが、上司としての俺の勤めだ)

 彼女の笑顔にそう誓い、智田は早足でスタッフルームを出た。

「あの、ありがとうございます! どうか、安全運転で」

 不動のため。店舗のため。
 彼女の激励を背中に受けながら、自分はできることを精一杯するだけだと、智田は車へ急いだ。


 事情をエリアマネージャーと本部に説明し、さっそく仙台まで走る。長時間運転をするのは久しぶりだ。とにかく安全運転を心がけ、集中して向かう。

 車は順調に進み、無事仙台倉庫へ着く。そこでの荷物の積み込みはスムーズだった。不動が冷静に、欲しい商品を具体的にピックアップしてリスト化してくれたからだろう。

 しかしいつまでも順調というわけにはいかないらしい。東北道で、事故渋滞にはまってしまったのだ。
 だが、焦りは禁物だ。疲労も相まっていた智田は、一旦サービスエリアに立ち寄ると不動にメールをした。

【どうか安全運転でお願いします】

 そんな返信に、彼女の優しさを感じ取り胸がほっとする。同時に、どうしても届けるのだと自分に言い聞かせた。

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