クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
「あの頃と同じなんだ。一緒にいると、里咲が少しずつ暗い顔になっていく。あの時はなにも分からないまま、フラれた」
すると茅野は苦笑いを浮かべた。
「あの頃とは明らかに違うことがあるだろう。不動さん、お前のドジを知ったうえで好きだって言ってくれたんだろう?」
彼の言葉に、智田の体はぴくりと揺れた。
確かに、彼女はドジをする自分を知っている。それどころか、何度もフォローしてもらっている。
だが、それはそれ、これはこれだ。やはり、自分のドジに呆れたのではないかという懸念は拭えない。
あの日、彼女にも名前を呼ばれたことで気持ちがそればかりになってしまい、タクシーの縁に頭をぶつけるというドジをやらかしてしまった。それが原因のような気がするのだ。
だが、茅野は断定するように口を開く。
「原因はそこじゃないと思う。茉寛と不動さんを見てると、なんていうか……恋人らしくないんだよ。この間も、仕事の話ばっかしていたろ?」
「それは、俺が上司で彼女が部下だから――」
「ここは職場じゃない」
鋭い指摘に、どきりと胸が鳴る。
すると茅野は苦笑いを浮かべた。
「あの頃とは明らかに違うことがあるだろう。不動さん、お前のドジを知ったうえで好きだって言ってくれたんだろう?」
彼の言葉に、智田の体はぴくりと揺れた。
確かに、彼女はドジをする自分を知っている。それどころか、何度もフォローしてもらっている。
だが、それはそれ、これはこれだ。やはり、自分のドジに呆れたのではないかという懸念は拭えない。
あの日、彼女にも名前を呼ばれたことで気持ちがそればかりになってしまい、タクシーの縁に頭をぶつけるというドジをやらかしてしまった。それが原因のような気がするのだ。
だが、茅野は断定するように口を開く。
「原因はそこじゃないと思う。茉寛と不動さんを見てると、なんていうか……恋人らしくないんだよ。この間も、仕事の話ばっかしていたろ?」
「それは、俺が上司で彼女が部下だから――」
「ここは職場じゃない」
鋭い指摘に、どきりと胸が鳴る。