クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
「俺は好きな人を前にすると、気持ちが制御できなくなってとたんにドジをしてしまう。これからも、里咲の前でドジをすると思う。今伝えてくれないと、その度に幻滅されているのかもしれないと思ってしまう」

 彼は言いながら、どこか小さくなったよう。だが、それでも私を見つめ続ける彼の真摯さに、胸の奥が揺れてゆく。

「きちんと教えて欲しい。どう思っている? 俺は、ありのままの里咲が知りたい」

 彼の瞳の奥で、私は狼狽えていた。でも、ここまで言ってくれたのだ。きちんと、伝えなくては。
 私は拳を握りしめ、一度息をふうと吐き出し吸い込んでから、そっと口を開いた。

「不快に思わせるかもしれません」
「大丈夫だ。俺は里咲を嫌いになんてならないから」

 前置きにも彼は優しくそう言ってくれる。
 私は意を決して、口を開いた。

「……かわいいなと、思っていました。ドジも、勘違いも」

 すると彼の瞳が見開かれる。

「もしかして、あの夜の〝かわいい〟も本心だったのか……?」

 気まずい気持ちになりながら、こくりと頷く。だがすぐにはっとして、早口で弁解した。

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