クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
やがて、注文した料理が運ばれてくる。鳥のチューリップ唐揚げ、串なしの焼き鳥、ポテトサラダに枝豆の浅漬け。どれも定番の居酒屋メニューがアレンジされたおしゃれな料理で、美味しそうだ。
「この枝豆、唐辛子も入ってるんですね。ピリ辛、好きなんです」
私が言うと、智田SVは自分の前だけに置かれた小さな小鉢を私に差し出した。
「もしかして、たこわさも好きか? よかったら、もうひとつ頼むが」
「いいんですか? いただきます」
思わず彼の小鉢に手を伸ばすと、彼がくすりと笑う声が頭上から聞こえた。
「すみません、つい」
「いや、構わない。追加で頼むから、これはどうぞ」
彼はそう言って、小鉢から手を離す。私は小鉢を受け取ったまま、顔を上げられなくなってしまった。
恥ずかしい。まさか上司という近しい人の前で、思わず素を出してしまうとは。
小さく深呼吸をしてから、顔を上げる。智田SVは、唐揚げに添えられたレモンを手にしていた。
「かけても大丈夫だろうか?」
「はい、好きです」
そう言うと、彼は大きな手でレモンを優しく握った。
するとなにがどうしてそうなったのか、レモンの汁が智田SVの顔面めがけて飛んでゆく。
思わず目を瞑った彼は、レモンを取り落とす。テーブルの上に、レモンがことりと静かに落ちた。
「この枝豆、唐辛子も入ってるんですね。ピリ辛、好きなんです」
私が言うと、智田SVは自分の前だけに置かれた小さな小鉢を私に差し出した。
「もしかして、たこわさも好きか? よかったら、もうひとつ頼むが」
「いいんですか? いただきます」
思わず彼の小鉢に手を伸ばすと、彼がくすりと笑う声が頭上から聞こえた。
「すみません、つい」
「いや、構わない。追加で頼むから、これはどうぞ」
彼はそう言って、小鉢から手を離す。私は小鉢を受け取ったまま、顔を上げられなくなってしまった。
恥ずかしい。まさか上司という近しい人の前で、思わず素を出してしまうとは。
小さく深呼吸をしてから、顔を上げる。智田SVは、唐揚げに添えられたレモンを手にしていた。
「かけても大丈夫だろうか?」
「はい、好きです」
そう言うと、彼は大きな手でレモンを優しく握った。
するとなにがどうしてそうなったのか、レモンの汁が智田SVの顔面めがけて飛んでゆく。
思わず目を瞑った彼は、レモンを取り落とす。テーブルの上に、レモンがことりと静かに落ちた。