クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
初めての恋人ができて、浮かれていたのだと思う。彼女とふたりきりになると途端に緊張がこみ上げて、智田は普段の自分からは考えられないようなドジを多々してしまった。
彼女はそんな智田に呆れたらしい。三度目のデートで、智田はあっさりとフラれてしまった。『クールでスマートな人だと思ってたのに、全然違った』と。
『お前、大学出て就職しても、中身はなんにも変わっていなかったんだな』
『あの頃のことは忘れてくれ』
『忘れてたけど、今さっき思い出したんだよ』
そんなじゃれ合いのような会話でけらけら笑う茅野は、今回もドジをした自分の胸をナイフでぐさぐさと刺してくるよう。智田は再び、ため息をこぼした。
(恋か。彼女のことは気になってはいたが、まさかこんなふうに気持ちに気づくとはな)
事実、不動のことを考えると胸が騒ぐ。普段は当たり前にできるほぼ無意識の行動が、きちんと考えないとできなくなってしまうくらいに。
結局それもできなくなって、ドジを踏んでいるのだから格好悪い。
(俺みたいな人間がドジをすると、それだけでイメージが崩れるらしいしな)
そもそも、自分が『クール』と言われるようになったのは、他人との距離を縮めるのが苦手だからだ。
彼女はそんな智田に呆れたらしい。三度目のデートで、智田はあっさりとフラれてしまった。『クールでスマートな人だと思ってたのに、全然違った』と。
『お前、大学出て就職しても、中身はなんにも変わっていなかったんだな』
『あの頃のことは忘れてくれ』
『忘れてたけど、今さっき思い出したんだよ』
そんなじゃれ合いのような会話でけらけら笑う茅野は、今回もドジをした自分の胸をナイフでぐさぐさと刺してくるよう。智田は再び、ため息をこぼした。
(恋か。彼女のことは気になってはいたが、まさかこんなふうに気持ちに気づくとはな)
事実、不動のことを考えると胸が騒ぐ。普段は当たり前にできるほぼ無意識の行動が、きちんと考えないとできなくなってしまうくらいに。
結局それもできなくなって、ドジを踏んでいるのだから格好悪い。
(俺みたいな人間がドジをすると、それだけでイメージが崩れるらしいしな)
そもそも、自分が『クール』と言われるようになったのは、他人との距離を縮めるのが苦手だからだ。