クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
「町田店長、そういうのは男も女も関係ないですよ。男だろうと女だろうと、かっこいい人はかっこいいと思います、私は」

(『かっこいい』か……)

 島崎店長の言葉に内心ため息をこぼしたが、私は「ありがとう」と彼女に笑みを向ける。

 すると周りの店長たちも、「不動店長は期待の若手ってことだな」とか、「すごい現場人」などと私を持ち上げ始める。

 こういうことを言われると、本部に行きたいと思っていることが申し訳なくなる。私に似合うのは、やはり〝店長〟という仕事なのだろう。

(モデル店舗になるとは言われたけれど、これで本部に行けるとは限らないもの)

 なんとなく暗い気持ちになったが、皆の笑い声やバーベキュー場の開放的な雰囲気の中で、そんな気持ちでいるのは失礼だ。
 私は無理やり笑みを浮かべながら、店長たちとの談笑を続けた。

 だいぶお酒も進んでくる。テーブルにはデザートの手作りクレープが用意され、子どもたちはクレープの皮に思い思いのフルーツやクリームを乗せて包んでいる。

 まだ残っているお肉は、独身組である私と智田SV、島崎店長と町田店長がお酒とともに細々といただいていた。
 といっても、町田店長はお手洗いに立ち、島崎店長はお酒を取りに行ってしまったため、今は智田SVとふたりきりなのだが。

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