クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
 クレープ作りに勤しむ子どもたちの様子をなんとなく眺めていると、不意に智田SVに声をかけられた。

「不動店長、バーベキューソースはいるか?」

 彼は言いながら、私にそれを差し出す。

「いえ、こっちは味がついているので。それ、美味しいですか?」

 訊ねると、彼はソースの蓋を開けながら言った。

「ああ、柔らかくてうまいと思う」

 だが彼がソースを傾けたところで、私ははっとした。

「智田SV、やっぱりソースお借りしてもいいですか?」
「ん?」

 その時、向こうのテーブルで子どもの声がした。

「あれ、チョコソースは?」

 私は彼から受け取ったソースを手に、子どもたちのテーブルへ向かう。

「探してるの、これかな?」
「ありがとう、お姉ちゃん!」

 子どもの笑顔に微笑み返し、私は智田SVの所へ戻る。本当のバーベキューソースを手に取りながら。

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