クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
「ごめん、動画でちょっと見たことあるだけなの。あんまり詳しくはなくて――」
「ランプリはいいですよ! 歌唱力もパフォーマンスもすごいのに、トークも面白いしファンサも最高で――」
彼女は私の言葉を遮って、いわゆる推し語りを始める。
「――というわけで、私は常にあっくんファッションです。プレブロの商品はカラーバリエが多いので、推し色を身に着けたい層にも人気なんですよ」
「あっくんの担当色は、確か赤色だよね」
「ですです! だから、私は今日の差し色も赤です」
私の言葉にそう答えながら、彼女は自分のパーカーの紐を指で持ち上げた。
なるほど、彼女の着ている白色のパーカーはプレブロの商品だが、紐部分を赤いサテンのリボンに取り換えたらしい。耳元で揺れるルビー色のピアスと合っていておしゃれだと思っていたが、まさか推しの色だったなんて。
「パーカーと紐の色の組み合わせを自由にできるようにして売り出したら、ヒットするかもしれないな」
智田SVが隣から不意に会話に入ってくる。
「絶対売れます。というか私なら買うし、広めます! なんなら、紐だけで売り出しても売れると思います」
「本部に提案してみるか」
なぜか仕事に繋がってしまったふたりの会話を聞きながら、私は〝推し〟という言葉を脳内で繰り返していた。
(〝推し〟か。私のこの気持ちも、そうだとしたらしっくりくるかも)
「ランプリはいいですよ! 歌唱力もパフォーマンスもすごいのに、トークも面白いしファンサも最高で――」
彼女は私の言葉を遮って、いわゆる推し語りを始める。
「――というわけで、私は常にあっくんファッションです。プレブロの商品はカラーバリエが多いので、推し色を身に着けたい層にも人気なんですよ」
「あっくんの担当色は、確か赤色だよね」
「ですです! だから、私は今日の差し色も赤です」
私の言葉にそう答えながら、彼女は自分のパーカーの紐を指で持ち上げた。
なるほど、彼女の着ている白色のパーカーはプレブロの商品だが、紐部分を赤いサテンのリボンに取り換えたらしい。耳元で揺れるルビー色のピアスと合っていておしゃれだと思っていたが、まさか推しの色だったなんて。
「パーカーと紐の色の組み合わせを自由にできるようにして売り出したら、ヒットするかもしれないな」
智田SVが隣から不意に会話に入ってくる。
「絶対売れます。というか私なら買うし、広めます! なんなら、紐だけで売り出しても売れると思います」
「本部に提案してみるか」
なぜか仕事に繋がってしまったふたりの会話を聞きながら、私は〝推し〟という言葉を脳内で繰り返していた。
(〝推し〟か。私のこの気持ちも、そうだとしたらしっくりくるかも)