クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
そんな彼女は私と異なり、柔らかい雰囲気を持ち合わせている。服装や緩く巻かれた肩までの髪などの見た目の印象もその要因なのだろうが、彼女の一番の愛らしさはコロコロ変わる表情と、たまに弱みを見せるところにあると思う。
『私だって店長になりたいんですよ。だけど、適正試験には落ちてばかり。私、店長向いてないんです』
以前、真霜と仕事終わりにラーメンを食べに行った時の話だ。
一年に一度開かれるわが社独自の店長適正試験に、再度彼女が落ちた時だった。
彼女は言いながら、ラーメンの横にあるビールジョッキを傾けた。
『真霜はよく頑張ってると思うよ。私が試験のお手伝いもできればいいんだけど』
『店長! お気持ちがビックすぎます~。尊敬……』
潤んだ瞳で見つめられ、あまりのかわいさに胸が跳ねたのはここだけの話だ。世の男性は、こうやって恋に落ちるのだろう。
(私とは大違い。本心をさらけ出すの、苦手なんだよね)
真霜は今日もふんわりとした笑みを私に向ける。それで、気合で張り詰めていた心がいい塩梅にほぐれてゆく。彼女の笑みには、ヒーリング効果があるらしい。
だが私はすぐに背を正し、静かに声を出した。彼女に頼られる、憧れの店長でありたい。
『私だって店長になりたいんですよ。だけど、適正試験には落ちてばかり。私、店長向いてないんです』
以前、真霜と仕事終わりにラーメンを食べに行った時の話だ。
一年に一度開かれるわが社独自の店長適正試験に、再度彼女が落ちた時だった。
彼女は言いながら、ラーメンの横にあるビールジョッキを傾けた。
『真霜はよく頑張ってると思うよ。私が試験のお手伝いもできればいいんだけど』
『店長! お気持ちがビックすぎます~。尊敬……』
潤んだ瞳で見つめられ、あまりのかわいさに胸が跳ねたのはここだけの話だ。世の男性は、こうやって恋に落ちるのだろう。
(私とは大違い。本心をさらけ出すの、苦手なんだよね)
真霜は今日もふんわりとした笑みを私に向ける。それで、気合で張り詰めていた心がいい塩梅にほぐれてゆく。彼女の笑みには、ヒーリング効果があるらしい。
だが私はすぐに背を正し、静かに声を出した。彼女に頼られる、憧れの店長でありたい。