クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
「おはよう、真霜さん。今日もよろしくね」
「はい。店長、そのニット新作ですよね。さすが、似合ってます」
彼女はほんわかとした笑みを崩さずそう言いながら、首元に巻かれた厚手のストールを外しにかかった。
「そうやってパンツとジャケットと併せて着るんですね。クールなシゴデキ系オフィスファッションって感じです。私には真似できないなあ」
彼女は純粋な笑顔でそう言って、自身のコートとストールをハンガーに掛ける。その仕草はやけに丁寧で、そんな彼女の頬はほんのり色づいている。
「そのストール、彼にもらったの?」
訊ねると、彼女はぱあっと顔に花を咲かせた。
「そうなんです! 春先だけどまだ寒いからって、この間のデートの時に」
そう言う真霜は、蕩けるような笑みを浮かべている。きっと、彼氏にとても大切にされているのだろう。
(微笑ましい。恋をするって、素敵だな)
大学時代、私も二十代のうちにこんなふうに恋をして、そのままゴールインして幸せな家庭を――と思っていた。
だが過去の恋の失敗は、新たな恋愛をする勇気を私から奪っていった。
「はい。店長、そのニット新作ですよね。さすが、似合ってます」
彼女はほんわかとした笑みを崩さずそう言いながら、首元に巻かれた厚手のストールを外しにかかった。
「そうやってパンツとジャケットと併せて着るんですね。クールなシゴデキ系オフィスファッションって感じです。私には真似できないなあ」
彼女は純粋な笑顔でそう言って、自身のコートとストールをハンガーに掛ける。その仕草はやけに丁寧で、そんな彼女の頬はほんのり色づいている。
「そのストール、彼にもらったの?」
訊ねると、彼女はぱあっと顔に花を咲かせた。
「そうなんです! 春先だけどまだ寒いからって、この間のデートの時に」
そう言う真霜は、蕩けるような笑みを浮かべている。きっと、彼氏にとても大切にされているのだろう。
(微笑ましい。恋をするって、素敵だな)
大学時代、私も二十代のうちにこんなふうに恋をして、そのままゴールインして幸せな家庭を――と思っていた。
だが過去の恋の失敗は、新たな恋愛をする勇気を私から奪っていった。