滾る恋情の檻

愛縛




 シーツが乱れる音と、美子の甘い吐息が重なる。


遥の熱が、後ろから深くまで打ち込まれるたび、体が跳ねて声が零れた。


「んっ……あぁっ……せんぱい……っ」

「……美子…っ」


低い声で呼び捨てにされるだけで、胸の奥が痺れる。


その響きには、欲望と抑えきれない衝動が混じっていて、美子の理性を焼き尽くしていった。


「……名前で呼んで。美子」


耳元で囁かれ、恥ずかしくて、思わず首を振る。


けれど、"許さない"と言われるように、すぐに腰を強く引き寄せられ、打ち付けられて、逃げ場をなくした。


「あぁっ……! ん……は、るか……さんっ……」


思わずシーツをギュッと握った。


熱に追い詰められ、震える声で名を呼ぶ。


そのたびに、遥の動きが荒く、深くなる。


「もっと……」


せがむような低い声に、美子の胸が溶けていく。


「ぁっ、遥さ……すき……です……っ、ずっと……ぁ……遥さん、だけを……んあぁっ……」


限界を超えて、想いが零れ落ちた。


涙まじりの声に、遥が息を呑む気配が伝わる。


次の瞬間、彼の動きはさらに激しさを増し、絡め取られるように背後から全身で抱きしめられた。


「……俺もだよ、美子」


表情はみえない。


けれど、苦しいほどの熱と衝動に包まれ、互いの心がようやくむき出しになる。


「美子と、最初に……っ、会った時から……」

「……んぁあ……っ」


隠されていた激情は、もう止められなかった。


「……遥さ…ん…っ」


名を呼ぶ声は掠れて、もう懇願のように震えていた。


重なる熱と熱が頂点へと引き上げられていき、理性も何もかも溶けていく。


「……や……あぁ……っ!」


「ん……っ、美子……っ」


絡み合う声が重なり、同じ瞬間に波に呑まれた。


全身を震わせながら遥は離さないと告げるように美子を強く抱きしめた。
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