やっぱり君が好きだ
 帰り道、自転車を飛ばして陽人君のいる病院へ向かった。
 看護師さんに教えてもらい病室に入ると、陽人君は一人でスマホを触っていた。周りには沢山の点滴があり、少し辛くなった。
 部屋を進んでいると私に気付いたみたいで、手を振ってくれた。
「陽人君、元気?」
「うん。まあまあかな。今日学校どうだった?」
 陽人君はいつも通りを装って話していたけど、どこかしんどそうだった。
「うーん。陽人君がいなかったから寂しかったよ。」
 私は正直に答えた。
「僕もここで花凛がいなかったから寂しかったよ。」
「一緒じゃん。」
 そう言って、顔を見合わせ笑い合った。
 その後、私は今日学校での出来事を話していた。今日は先生の機嫌が悪かったこと、消しゴムを忘れたこと、菜々と松本君が相変わらずラブラブなこと。そんな話をしていると扉から陽人君のお母さんらしき人が入ってきた。
 優しそうな顔をしているけれど、どこか疲れたような表情をしていた。着ているスーツの裾が少しよつれていた。多分陽人君のことで手がいっぱいなんだろう。そんな姿を見ると、胸が痛くなった。
「あ、もしかして陽人に聞いてた花凛ちゃん?」
「えっ、あっそうです。こんにちは?」
 そう言って私は陽人君の方をチラリと見た。陽人君はニコニコしていた。
「いつも仲良くしてくれてありがとう。こんな状態だけどこれからも仲良くしてあげてくれる?」
「はい、もちろんです。じゃあ今日は帰ります。」
 さすがに陽人君と陽人君のお母さんと3人は少しおかしい気がするから。
「そんな遠慮とかしなくていいからね。」
 そう陽人君のお母さんは言ったけれど、私は大丈夫です、と言い病室を出た。

 次の日から、塾で行けない日以外、毎日陽人君に会いに行った。学校のことを話したり、次遊びに行くところに話したり、そんなたわいもない会話をしていた。陽人君のお母さんやお父さんとも会う機会が増え、徐々にお互い打ち解けていくようになった。どうやら陽人と私が付き合ってることを知ってるらしい。私は恥ずかしくてお母さんに言えてないのに。
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