やっぱり君が好きだ
 夏祭り当日
 約束の5時よりも少し早く着いた。待っていると、ホームから3人が並んで出てきた。
「ごめーん、待たせたー?」
 菜々がいつもよりも可愛いツインテールをし、可愛い服を着ていた。それにテンションが上がっていた。そりゃそうか。
「そんなことないよ。私が早く来すぎただけ。」
「なら良かった。じゃあ早く行こっか。」
「うん。」そういい、元気に前に進み出した。
「今日は2人も来てくれてありがとう。」
「いやいや、こちらこそ誘ってくれてありがとう。あんまりこの3人と話すタイミングなかったから仲良くなれそうで嬉しい。」
 そう松本君が言ってくれた。松本君はいつも友達思いで誰にでも好かれるいい子だった。だから、他にも誘われてたはずなのにこっちを選んでくれたってことはもしかして。
「今日は楽しもっ。みんなで。」
 そう陽人君がまとめてくれた。相変わらずかっこいい。
「ねえーみんな早くー」
 少し前を歩いていた菜々が後ろ向いて私たちに叫んだ。
「はーい。」と松本君が走って行った。
 それに続いて私たちも走って追いついた。

 少し屋台を回っていると、人が多すぎ菜々と松本君に離れてしまった。あいにく電波は全く届かず困っている。
「ねー陽人君どうしよう。2人とはぐれちゃったねー。」
「ねーまあそのうちどこかで出会うんじゃない。」
 そうだよね、と言い私たちは2人でかき氷を食べたり、射的をしたりしていた。
 花火の時間になっても2人には会えず、河川敷に座って2人で見ることになった。
「花火ってさ、色んな種類のがあるよね。」
 ふいに陽人君がそう言った。
「わかる、私さ流れる感じの花火が好きなんだよね。」
「それ僕も、なんか落ちてきそうで少し怖いけどすごく綺麗なのだよね。」
 陽人君は笑顔でこっちを見ながらそう言った。
「そうそう、それ。」
 そんなたわいもない話をし、再び駅へと戻っていると菜々と松本君がいた。
 2人は手を繋いでいた。
「え、付き合ったの?」
 私は少しニヤついた顔で菜々の耳にコソッと言う。
「そう、私たち付き合ったの。ね、翔太。」
 菜々は普通の声の大きさでそう言う。
「え、おめでとう。松本君、幸せにしてあげてね。」
 そう陽人君は言う。
「ほんとにおめでとう。」
「2人ともありがとう。実は俺ずっと菜々のことが好きでさ。ほんとは俺が先に、この祭り誘おうと思ったら菜々が誘ってくれたさ。もう正直運命だなって思ったよ。」
「もーーー」
 菜々は恥ずかしそうに松本君と握っている手をブラブラする。羨ましい。
「なんかね、花火の時に松本君が告白してくれてね。もう私さ嬉しくて嬉しくて。」
「よかったじゃん、菜々。」
 ありがとう、と初めてというぐらいの満面の笑みで私にそう言う。
 花凛も応援してるよ、と私にしか聞こえない声で小さく応援してくれた。うん、と頷くとなぜか撫でられた。なんていい親友なんだろう。
 そして少しずつ歩き始め、2人の後を私と陽人君はゆっくりと歩いていた。
「2人ほんとお似合いだよね。」
 陽人君が前を眺めながらそう呟いた。
「ほんとそうだよね。」
 そういい陽人君と私は向かい合い、少し笑い合い静かに歩いていた。
 いつか陽人君ともこうなりたい。ただこう思った。
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