第三作★血文字の輪廻★
⑤ 終幕 ― 輪廻の意味
黒田は相沢の遺言テープを押収し、庁内に持ち帰った。
しかし、彼が報告書をまとめるたびに、紙面の余白には赤い染みが浮かび上がった。
「ほんとうのはんにんは」
捜査会議の最中、突然スクリーンに映した資料が歪み、相沢の声が混じった。
――《つぎは きみだ》
同僚たちはざわめき、資料を操作していた若手刑事は青ざめた顔で立ち尽くした。
輪廻はすでに庁内へ浸食していた。
黒田は一人、深夜の事務室でテープを再生した。
相沢の声は何度聞いても同じ場所で途切れ、
最後には必ず、あの言葉を残す。
「つぎは きみだ」
黒田は机に突っ伏し、頭を抱えた。
犠牲者の声なのか。
加害者の無意識の告白なのか。
それとも――呪いそのものが意志を持っているのか。
耳元で囁きが重なった。
「しんじて」
「かけ」
「のこせ」
黒田は震える手でペンを握り、白紙の報告書に文字を走らせていた。
気づけば、自分の血で。
「ほんとうのはんにんは……」
そこで、ペン先が止まった。
――続きを書けば、輪廻の一部になる。
だが書かなければ、声は止まらない。
黒田は深く息を吐き、報告書を見つめた。
空白の先にある言葉を、誰が書き継ぐのか。
その夜明け、庁舎のコピー機から大量の紙が吐き出された。
すべての紙面に、同じ血文字が浮かんでいた。
「ほんとうのはんにんは」
――輪廻は、もう止められない。
黒田は相沢の遺言テープを押収し、庁内に持ち帰った。
しかし、彼が報告書をまとめるたびに、紙面の余白には赤い染みが浮かび上がった。
「ほんとうのはんにんは」
捜査会議の最中、突然スクリーンに映した資料が歪み、相沢の声が混じった。
――《つぎは きみだ》
同僚たちはざわめき、資料を操作していた若手刑事は青ざめた顔で立ち尽くした。
輪廻はすでに庁内へ浸食していた。
黒田は一人、深夜の事務室でテープを再生した。
相沢の声は何度聞いても同じ場所で途切れ、
最後には必ず、あの言葉を残す。
「つぎは きみだ」
黒田は机に突っ伏し、頭を抱えた。
犠牲者の声なのか。
加害者の無意識の告白なのか。
それとも――呪いそのものが意志を持っているのか。
耳元で囁きが重なった。
「しんじて」
「かけ」
「のこせ」
黒田は震える手でペンを握り、白紙の報告書に文字を走らせていた。
気づけば、自分の血で。
「ほんとうのはんにんは……」
そこで、ペン先が止まった。
――続きを書けば、輪廻の一部になる。
だが書かなければ、声は止まらない。
黒田は深く息を吐き、報告書を見つめた。
空白の先にある言葉を、誰が書き継ぐのか。
その夜明け、庁舎のコピー機から大量の紙が吐き出された。
すべての紙面に、同じ血文字が浮かんでいた。
「ほんとうのはんにんは」
――輪廻は、もう止められない。

