桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
「そういえば……皇后様に、こう聞かれたの。『煌って、夜は淡白なの?』って。」

思い出しながら口にすると、煌はふふっと笑った。

「紅蓮は……子供が欲しいだけだ。いつも俺の体を奪っては、好き勝手に満足している。」

その言葉に胸がざわめき、私は思わず彼の頬に触れた。

「……嫌じゃないの?」

「それが夫婦の義務だからね。」

苦笑を浮かべながらも、煌は大きな手で私の指を握り返す。

そして次の瞬間、彼は体を起こし、私を寝台に押し倒した。

「けれど――小桃といる時の俺は、義務なんかじゃない。」

熱い視線に捕らえられ、息が詰まる。

「小桃とは……こんなに情熱的だって、もし紅蓮が知ったら怒るだろうね。」

「煌……」

彼の言葉に胸が熱くなり、次いで甘い口づけが降りてくる。

唇が重なるたび、心も体も融け合っていく。

(私は……この人に、誰よりも愛されている。)

皇后の影に怯える心が、甘美な熱に飲み込まれていった。
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