Pandora❄firstlove
「じゃあ、私にも考えがあるよ?」
「どんなだ?」
「司先生に襲われたって、学校中に言いふらす!!」
鼻で笑う。
「なんで笑ってんの?」
「別にどちらにしろ、俺は教師を辞めてもいいってぐらいもうこの仕事に熱量なんてないしな。どうでもいい。」
また俺は、寝転んで。
「お前とライン交換するぐらいなら言われたほうがいいかも」
横になりたいがためにやっと目をつぶって、手で追い払った。
「ほーんと、無気力さんなんだね………。教師やってて、恥ずかしくないの?」
「そういうお前こそ、恥ずかしくないのか?こんな教師のためにムキになって、あらぬこと言いやがって。ガキ臭い」
「ガキ臭いって言わないで。愛らしいって言ってよー」
面倒くさいな……俺は寝たいのに。
「とちもかくにも、私は今。ぜーんぜん、学校楽しくないの。感覚で言えば娯楽のない塔の上のラプンツェル状態ってわけです。先生ならどうにかしてくれませんかね?」
「楽しみは、自分で見つけろよ」
「その楽しみを見つける、材料すらもここにないんだよ。みーんな私になんだか遠慮して学校の事詳しく話してくれないし」
確かに彼女が避けられているというのも、一理あるかもしれない。
なぜなら彼女は、噂にも見る絶世の美女であるからして。
皆あらゆる噂を立てられたら、面倒くさいなと口々に揃えていっているぐらいだ。
普通の学校なら、こんな生徒アタックされてうんざりして、グレるのが稀なのに。
どうして突然、こんな偶然が起こってしまったのか、検討もつかん。
学校という場所は、時に現実より奇妙だ。
「ねぇ………お願いだよ!!なんか学校が私つまらなすぎて、お腹と背中がくっついて、ペラペラになって吹き飛ばされてしまってもいいの!?司先生のせいだからね!!」
「意味の分からないことを言うな」
だけどもたしかに可哀想だ。
保健室にずっといなければいけないということは、親がそう許可してるということなんだろう。
ということはかなり重い状態というわけか………、きっと病気なのだろう。
だけども俺がやれることとするとーーー。
「お前、英語は好きか?」
俺にできるとすると、それくらいしかできない。
英語を教えるだけしか。
だけども彼女は、気ままなんだな………。
「私………勉強苦手なんだよね」
「なんだよせっかく、提案してやったのに」
「苦手なものは、仕方ないじゃん!!もっと他にいいことないの?」
「それならない」
「あ………分かった!!先生と生徒の禁断のーーー」
「だからそんなものも、無い!!!ガキ臭い、近寄るな!!!」
「えー、ケチ!!!そうゆう話一つや二つあるんじゃないの?本当は?」
「そんなトリッキーなことが起こったら、俺は全力で振るな。面倒くさいんだよ」
「えー……じゃあ、じゃあ………」
戸惑う彼女。
もう何だか眠気も冴えてしまった。
そろそろ戻るかと、体を起こす。
「私と友達になって」