ブルークレールのソワレ ー甘いお菓子と公爵様の甘い溺愛ー


「あ、すまない。ノックをしたが、返事がないので開けた」
「え、ノックの音は、気がつかなかった」
「何だ。まだ着替え中、ほら、こっちを向いて」

ダニエルが跪いてマリーの襟を留めようと手をあてた。マリーは襟元を留めてくれるダニエルをみつめた。美しい顔立ちを近くで見ると、キスをしたシーンが蘇ってくる。顔が赤くなる。それを気付いたダニエルは笑って言った。

「何か、良からぬことを考えているのかな?」
「何も考えていないです。ダニエル様こそ、良からぬことと言うくらいだから、いやらしい想像をしているでしょう」
「そうだ。こう顔を寄せて・・・」

ダニエルの顔が近づいてきたのを押したら、マリーはその力が作用して、後ろのベッドに寝転んだ。ダニエルの手が寝転んでいる所に伸びてきた。

「わわわ」
とマリーが声を発していたらダニエルが抱き上げて高い高いをした。上からダニエルを見下ろす形になった。

「大丈夫だ。私も節制している。子供のマリーには手を出さない」

マリーの顔を見ると「手を出してほしいか?」と言った。

「バカなこと言わないで下さい。誤解されますよ」赤くなった顔を見られないように横を向いた。
「分かっている」

ゆっくりとマリーを降ろすとテーブルの上のトレイを見て「食事は一緒にしよう」と言って手を引いて連れて行った。
暖かい手をマリーは握り締めて外に止まっている馬車に行く。乗り込むと2人分の食事が置いていた。座席に向い合せに座ると馬車は出発した。



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