ブルークレールのソワレ ー甘いお菓子と公爵様の甘い溺愛ー


  昼食を目の前にして、豪華で美味しそうだったので、ごっくりと唾を飲んだ。それを見たダニエルは笑顔で言った。

「さあ、食べよう」
「いただきまーす」

一口食べて「美味しい」と言うとマリーは、次々に食べ物を口に運んだ。

「慌てなくても逃げない。ゆっくり食べるといい」
「だって美味しいです」
「そんなに美味しそうに食べると、こちらまでつられて食欲がでてくる」

マリーと食べる食事の味は、今までと違い美味しさを感じる。食べ慣れて別段、変わりはない物でさえ違う物になるのだ。一緒にいるだけなのに、ただそれだけのことが嬉しく思う。

幸せとはありふれた日常に感じるのだとダニエルは実感した。この日常を絶えることなく手にしていたい、そう考えていた。

「ところでダニエル様。今日はどこへ捜査に行くのですか?」
「捜査の合間の息抜きに連れて行きたい所がある」
「捜査ではないんですか?」
「ああ、疲れた時に行くと癒される」
「え、どこですか?」
「シューレイノの森だ。よく幼い頃に母と行った」
「へぇー、そんな森があるんですか」

 シューレイノの森は美しかった。緑の木々や草原に湖があり自然豊かな森だ。
そこは春の花が咲き始めている。春の花は黄色が多く、そこいら中に小さく咲いていた。馬車から降りたマリーは、深呼吸して春、間近の風を胸いっぱいに吸い込んだ。


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